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「童話」
じろえむさんの牛

じろえむさんの牛

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 明るいおひさまの下で、じろえむさんは、今日もせっせと野良仕事に精をだしておった。
 ふた親を三年前に亡くしたが、田んぼと畑を残してくれとったで、暮らすにゃ困らん。
 それに、一人で耕すにゃあ広い田畑も、牛のはなっちゅう力強い味方がおって、この牛を、じろえむさんは大事にしておった。
 さて、田植えも終わったある日。山一つ先の村に、野菜を売りに行ったときのこと。
 じろえむさんは、道ばたで人がうずくまっておるのをみかけて声をかけた。
 ふりかえったのは二十歳そこそこの娘っこ。
見ると、足首がひどく腫れ上がっていての。
「こりゃあ、難儀(なんぎ)じゃろ」
と、じろえむさんは娘っこをおぶって家までおくってやった。
 このとき娘っこの顔を見たじろえむさんは、ぽっとほおを赤らめてな。娘っこの親が名前をきいても答えず、そそくさと帰ってきてしもうた。
 それから、じろえむさんは、時々ぼうっとするようになってな。そのたんびにはなが顔をべろんとなめちゃあ、正気にもどったと。
 さて、その娘っこの家でも、変わったことが起きておった。
 この娘っこ、名はおきくっちゅうて、器量はいいし、心根もやさしいが、なにしろ不器用で、なあんもできんおなごでな。
 まあ、一人娘なもんだで、ふた親が蝶よ花よと、甘やかして育てたせいもあるが。
 そのおきくが、どういう風の吹き回しか、急におさんどんやら洗濯やらし始めた。
 やっと、おきくも人並みの娘になったと、ふた親はよろこんだが、めしは真っ黒こげ、洗濯物はぼろぼろ、はたきをかければ、障子を破っちまうで、まったく話にならん。
 娘が変わった原因が、先日の男にあるとにらんだふた親は、あちこちの村を尋ね歩いて、娘を助けてくれたのがじろえむさんだったことをつきとめたとな。
 で、善は急げっちゅうわけで、ふた親はおきくを連れて、庄屋さんを訪ねていってな。娘の縁談をもちかけたと。
 庄屋さんは、じろえむさんの親代わり。おきくの器量のよさと気だてのよさに感心して、二人の仲をとりもつことを約束したと。
 ところが、安心したふた親は、ほんとうのことをついしゃべってしもうた。
 娘は裁縫も炊事も洗濯もできません、と。
 これにはあわてた庄屋さん。いまさらだめとはいいにくうて、考え込んでしもうた。
 庄屋さん、途方に暮れて歩いているうちに、じろえむさんの畑の近くまでやってきた。
 草刈りに精を出すじろえむさんに、声をかけづらい。じっとようすをうかがっておったら、そばの木の陰から、はながぬうっと顔を出してきた。
 庄屋さんはため息混じりに、ひとくさり、はなにことのてんまつを話して聞かせたと。
「いや、おまえにこんな話してもなぁ」
 庄屋さんは苦笑いして、帰って行った。
 
「ごめんください。おきくさんはいますか」
 突然、おきくの家に見知らぬ女の人がやってきた。体格ががっしりした大女で、おきくもふた親もびっくり仰天。
「今日から、わたしがおきくさんにいろいろ教えましょう」
 この申し出に、ふた親はとびついた。
「針は先の方を持って」
「ほらほら、ご飯がこげますよ」
 しごかれて、おきくはかんしゃくを起こして逃げ出すこともあったが、その女の力の強いことといったら。逃げるたんびに、おきくを軽々持ち上げて連れ帰る。
「そんなことでは、じろえむさんのお嫁さんにはなれませんよ」
 こうしておきくは、泣き泣き、針の使い方を覚え、煮炊きを覚え、洗濯の仕方を覚えていってな。秋の取り入れがすむ頃には、なんとか人並みにできるようになったと。
 ふた親は喜んで、庄屋さんを訪ね、じろえむさんとの縁談を進めてくれるよう頼んだ。
 庄屋さんが、おきくをじろえむさんと引き合わせると、じろえむさんはほっぺたを真っ赤にして、二つ返事で承知した。

 無事に夫婦になった二人は、よおく働いて、毎日しあわせに暮らしておった。
 しばらくして、慣れない生活に疲れたおきくは、ちょっと一休みとばかり、土手に横になった。くうくうと眠ってしまったその時、
「なまけてはいけませんよ。おきくさん」
 いつかの女の人の声がした。おきくはびっくりして、あわてて飛び起きたが、あたりを見回しても、おるのは牛のはなだけだで。
「まさか……?」
 おきくははなをじいっと見つめちょったが、はなは知らん顔して、うまそうに草を食んでいたとさ。
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