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「物語」
ばらのお茶、いかが?

ばらのお茶、いかが?

 ←連休が終わります →今日はチャットの日♪
 ぽかぽかと暖かい春の日です。
 ひっこしてきたばかりのわたしの家のポストに、ピンク色のかわいい手紙が入っていました。ハーブティー専門の喫茶店からです。それはお茶会の招待状でした。
 『 ○月○日 午後三時
  開店記念のお茶会を開きますので、
  ご招待致します。
  とっておきのバラのお茶をご用意して
  お待ちしています。
  どうぞ、お気軽にお越しください』
「バラのお茶? いってみようかしら」
 わたしは、ここで誰かと友だちになれたらいいと思いました。ところが、そのあとの文面を見てがっかりしたのです。
 『追伸 必ず仲のいいお友だちをひとり 
  さそってきてください』
「困ったわ。お茶会は明日よ。まだ友だちなんていないのに」

 わたしは二階の部屋の窓を大きく開けて、荷物の整理を始めました。
 遠くに水平線がかすみ、ゆるやかな風が、ほんのり海の香りを運んでくれます。
(こんないいお天気の日に家の中にいるなんて、もったいないわね)
 そんなことを思いながら、クローゼットに服をしまっていたときです。
 突然、ぱたぱたと小鳥が飛び込んできて、わたしの肩に止まりました。赤や緑の鮮やかな色は、ボタンインコです。
「まあ、あなた、どこからきたの?」
 わたしが尋ねると、小鳥は「ピイッ」と、甲高い声で鳴きました。
 とてもなれているようなので、わたしはそのまま外に出て、飼い主を捜すことにしました。そうすれば、だれかと友だちになれるかもしれません。
 ここは、丘を切り拓いたばかりの新興住宅地で、まだ、ところどころに十数軒ほどしか家は建っていません。
 お隣の家は留守です。少し先のお隣も。何軒かまわりましたが、みんな留守なので、わたしはあきらめて、家にもどりました。
「しかたがないわ。お茶会はあきらめましょう。別の日にいけばいいわ」
 そのとき、ずっとわたしの肩に止まっていた小鳥が、「ピイーッ」と鳴きました。
「そうだわ。いい考えがある!」
 わたしは、ぽんと手を打ちました。
 
 さて、お茶会の当日です。わたしは三時少し前に家を出ました。いっしょに連れていく友だちは、迷子の小鳥です。
 丘のてっぺんの喫茶店は、まるで、お菓子の家みたいなかわいらしい造りです。まだ『準備中』のプレートがかかっているので、外で待っていると、犬を連れた年輩の男の人がやってきました。
「こんにちわ。この犬は、もしかしたらあなたの犬ではありませんか?」
 わたしの方が、小鳥の飼い主かと聞きたかったので、驚きました。
 それから、猫を抱いた中年の婦人、サルを肩にのせた若い男の人が来ました。続いて、モモンガやプレイリードッグやオウムを連れた人たちが、次々にやってきたのです。
 動物はみんな迷子でしたが、不思議なことに、だれ一人、どの動物の飼い主でもありません。
 そして、みんなわたしと同じように、お茶会のために、迷子の動物を友だちとして連れてきたというのです。
 そのとき、鈴の音とともにドアが開いて、バラの甘い香りが漂ってきました。
「ようこそ」
 若いマスターが、さわやかな笑顔で迎えてくれました。
 すると、わたしの肩に止まっていた小鳥が、マスターの方へ飛んでいったのです。ほかの動物たちも、いっせいにマスターの方へ行きました。
 これで、わけがわかりました。なんてすてきな方法を、マスターは考えたのでしょう。
 この丘に住む人たちが、一度に仲良くなるために、動物たちに協力してもらったのです。

 お茶とお菓子が運ばれてくると、自己紹介が始まりました。
 アトリエを建てた、若い画家の鈴木さん。退職したので、自給自足で暮らすという小栗さんご夫妻。別荘なので週末に来るという、声楽家の若宮さん。
 すてきな人たちや自然に囲まれて、これからは楽しいお話が、たくさん書けそうです。
 さあ、わたしの番になりました。
「花森わかな。童話作家です。よろしくお願いします」
 バラのお茶は、ほんのり甘く、さわやかな味がしました。
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ありがとうございます 

読んでくださって。ありがとうございました。
この作品に出てくる動物たちは、以前ワタクシが飼ったことのあるペットたちなんですよ。

悲しい別れを経験しましたが、一緒にいるときはほんとうに「友だち」でした(*^_^*)

素敵です! 

心がほわっとあったかくなるstoryに思わず笑みがこぼれました。良いですね、こういう世界。
とても救われる気がします。
今、シェアハウスのようなモノが若い人に人気だそうですが、そういう生活スタイル、(実はよく知らないのですが…リビングが一緒とかって住居ですかね?)増えていくと良いですね。
そして、そこに老人から子どもまで集えて、家族のようにお互いがお互いに、出来る範囲で支え合えるなら、素敵なコミュニティが作られます。
なんか、そういう世界を垣間見た気がいたしました(^^)

感想ありがとうございます 

感想をいただいていたのに、今まで気づかなくてすみません。

年齢の差を気にせず、おつきあいができたら、すごくいいことだと思います。
この物語では、そのために動物たちに一肌脱いでもらいました。
実は、ここに出てきた動物たちは、過去にワタクシが飼ったことのあるペットたちです♪

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